2011年11月12日

輪島塗とは?

輪島塗 輪島で漆を手作業で塗ったもの
というのが 普通の人が考える輪島塗のイメージだと思います。

職人たちが伝統的な技法で漆を塗っている。

これは今も昔もほとんど変わらない事実です。

「重要無形文化財」これは所謂 人間国宝と言われているものです。

人間国宝だから 個人のもののようですが 団体もあるのです。
輪島塗は この「重要無形文化財」の「団体指定」と言われる指定を昭和52年に受けています。
塗り物では いまだに輪島塗だけが この「重要無形文化財」の指定を受けています。
非常に名誉なことです。

この指定 文科省(当時は文部省)の管轄ですが
指定を受けるに当たり 決めた「輪島塗」の規定があります。

つまり 文科省と輪島塗技術保存会の間で こんな技法や材料で作ったものを輪島塗と呼びます。
という約束をしたのです。

12項目の約束事があるのですが その中に
一の1 椀木地は、地元産の欅(けやき)材であること。
二の1 挽物は、横挽きであること。
というのがあります。

もう一つ 同じ国でも経産省の指定する 「伝統的工芸品」と言われるものがあり
当然ながら 輪島塗は指定を受けています。
これは昭和50年に指定されました。

これにも「輪島塗」の規定があります。
この中にも当然 椀木地についての規定があるのですが
技術 技法 
4(一)挽き物にあっては、ろくろ台及びろくろがんなを用いて成形すること。
原材料
2 木地は、ヒバ、ケヤキ、カツラ若しくはホオ又はこれらと同等の材料を有する用材とすること。
とされています。

この二つの規定
実は大きく違うのは一目瞭然ですよね

文科省は 文化の伝承という観点から 物の出来具合より伝統的であるかどうかに重点が置かれています。
経産省は 伝統工芸を物作りの産業としてとらえ より現実的で実情に適していて 
美しいものを作るには この方がより美しく作れる方法を知っているという感じがします。

実は 国がかかわる「輪島塗」の規定には もう一つあります。
これは 特許庁がかかわる「地域団体商標」というのがあります。

これは 主に中国などが勝手に 地場産業の名前(たとえば輪島塗など)を国際商標登録してしまわないようにと 作られた制度で 最近出来たものです。
これにも 「輪島塗」は登録していますが これにも当然規定があります。

これは 経産省の伝統的工芸品に準じていますが 目的が違うので微妙に異なっています。

国がかかわる「輪島塗」にも 色々あるといえると思います。

消費者は 安心して買える輪島塗を求めているのだと思います。
産地でも 新商品について これを輪島塗と呼んで良いのか など議論になることもあります。

輪島塗の品格を保持していること
と 重要文化財の規定の最後に書かれています。

作り手が 輪島塗の伝統にに恥じない物造りをしたものが 真に輪島塗と言えるのだと思います。
器物や表面の仕上げには 新しい工夫がされていても
中身は伝統の塗の技術が生きている それが輪島塗です。

伝統はそのままでは伝統足りえません
発展していくものです、基本を忘れず より良い物造りをしていきたいと強く思います。

posted by やすべい at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪島塗の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月12日

石川県輪島漆芸美術館

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石川県輪島漆芸美術館 略して漆芸美術館

校倉造りを模した造りの 世界でただ一つの
漆器の専門美術館です。

少し紹介しましょう。

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正面の左から 美術館を半分だけ取り囲むように

枯山水風の庭が 裏まで続いています。

芝生のところは自由に 入れますから

天気の良い日は お弁当を広げるのも 良いもんです。

展示室の中は 写せませんが

ロビーには 無料で楽しめるものが展示されています


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これは 奴提灯

塗師屋になったら これが欲しい

これを持ってることが 一流の塗師屋の証

というと大げさですが そんな提灯です。

江戸の後期頃から 
塗師屋が競って 豪華な奴提灯を作ったと言われています。

先月と先々月は 当社の提灯が展示されていましたが

今月と来月は 珍しい赤い奴提灯が飾られています。

これは 大雅堂さんのもの

高さは約5メートル

昔は祭りのときに 神輿の先頭に立って町を練り歩いたものですが
今は 各塗師屋の店頭に
飾られることが多いですね。

提灯に書かれる文字は それぞれの塗師屋の独特なものですが

ほとんどが 三文字

当社のものは 

「固鴻基」 鴻基を固める。大事業の基礎を築く
「和為貴」 和をもって貴しと為す。

これを 私の従兄にあたる 長井恒治先生に書いてもらったものです。

今回のこの大雅堂さんの提灯のように 左右同じ文字というのは
極めて珍しいです。

一対で何かを表す というものがほとんどです。 

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そして これはテーブルコーディネートの展示

今月は 香漆会の皆さんのコーディネート

4テーブルが展示されています。

そして 展示ルームでは 今月は 
若い 主に漆芸を学ぶ学生たちの 作品が展示がされています。

その若い作り手が 自分の作品について説明をする

というイベントが 今日行われます。

楽しみです どんな思いを語ってくれるでしょうね
posted by やすべい at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪島塗の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月26日

漆は奥が深い

先日の東京出張の時、

〔過去から未来へ ときをつなぐ漆〕

というイベントに一日だけ参加して来ました。

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瀬戸内寂聴さんの記念講演で幕開けしました。

寂聴さんのお父様は 仏壇屋さんをしていたり
戦後の復興期には 酒作りの大きな樽を漆で塗ったりしていた方だったそうです。
また 今では有名になっている寂聴さんが法話をなさるお寺は
岩手県の二戸市浄法寺という町にありますが、
ここは 日本でほとんど唯一の漆の産地でもあります。

そんなご縁で講演がありましたが 沢山の方で
話も肩肘張らず とても楽しいものでした。

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同時に漆の液そのものに関する 様々なパネル展示も行われました。
日本のあちこちで行われている
漆の植栽や それを支援しようとしている運動。
国の機関の方々も 漆の木の育て方や 樹液のよく採れる条件を研究していたり、非常に勉強になりました。

というより こういった漆に対する基本的な研究や活動を 
私は知らなさ過ぎる 
真剣な 純粋な 彼らの情熱をもっと知らなくてはならない
と強く思いました。

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会場では 浄法寺の本職の漆掻きの職人さんが
漆を掻く体験を 指導してくださったりというコーナーもありました。

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輪島からも 実行委員会のメンバーに入っていた 若宮君です。

彼も漆に熱い思いを持っている一人です

私は一日だけの参加でしたが 彼や古込君らは
三日間参加しています。

彼らに負けず 私ももっと頑張らなくちゃと 強く思った一日でした。

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それにしても 会場だった 新しい駿河台の明治大学キャンパス
素晴らしく綺麗でした!

私が大学生だったころ(明治ではありませんが)とは 様変りだなあと感じつつ 
昔の面影の残っている 古い町並みにあるラーメン屋さんで
遅い昼食を取って
また次の新年会に向かったのでした。
posted by やすべい at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 輪島塗の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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